臓器移植法改正案のA案が衆議院で可決されたらしい。
脳死をヒトの死とするのは、医学的な定義からしたら
正しいのだと思うけど、現実には現場は混乱しそう。
参議院でどう採決されるか、要チェックですね。

臓器移植法改正:15歳未満も臓器提供…A案、衆院で可決

 衆院本会議は18日、臓器移植法改正4法案を採決し、脳死を一般的な人の死と認め、臓器提供の年齢制限を撤廃し、小児の移植に道を開くA案に430人が投票し、賛成263人、反対167人で可決した。現行法施行から11年半で脳死移植数が81例にとどまる中、臓器提供の機会を拡大すべきだとの意見が上回った。ただ参院側では新案提出の動きが出るなど、A案がそのまま可決される保証はない。衆院解散時期も絡むだけに、今国会で成立するかどうかなお不透明だ。

 ◇今国会成立は不透明
 死生観が問われるとあって、各党は党議拘束を外し、法案への賛否を各議員に委ねた。共産党は棄権した。

 今回の最大の焦点は、現行法が認めない、脳死した15歳未満の子どもからの臓器摘出を可能とするか否かだった。今の日本では、小児が自分の体のサイズにあう臓器の移植を受けるには、海外に渡るしかない。

 世界保健機関(WHO)は自国内での臓器移植拡大を求める指針決定に動き出しており、将来、渡航移植の道が狭められる可能性が高い。このため、4法案のうち15歳未満からの臓器摘出を認めるA、D両案が有力とみられていた。

 06年3月に提出されたA案は、脳死を一般的な人の死と定義し、本人が生前に拒否していなければ、年齢に関係なく家族の同意で臓器摘出が可能。一方、A案に批判的な議員が今年5月に提出したD案は、現行法通り臓器提供の意思を示していた人に限り脳死を人の死と認める。

 D案に対しA案支持者は、「移植が増えず、子どもの移植拡大にもつながらない」と批判的で、最終的に「成人・小児に限らず救える命を増やすための措置が必要」との声に支持が集まった。

 ただ、「脳死を人の死」とすることが医療一般に広がる懸念も指摘されている。5日の衆院厚生労働委員会でA案支持の冨岡勉氏(自民)は「臓器移植以外の場面で人の死を定めるものではない」と述べたが、同じA案支持の福島豊氏(公明)は「疑義を生むのであれば修正も当然あると思う」と発言し、足並みの乱れを見せた。

 A案については、本人意思が不明でも家族の同意があれば臓器摘出を認める点にも疑問が示されている。【鈴木直】

 ◇解説…国民的合意へ議論を
 脳死を人の死とする臓器移植法改正案のA案が可決され、衆院を通過した。A案は4案の中で明確に脳死移植を増やすことを目的にし、15歳未満からの臓器提供を可能にするものだ。海外での移植に頼ってきた子どもの国内での移植に道を開く意義は大きいが、克服すべき課題も多い。

 毎日新聞が今月行った世論調査では、15歳未満の臓器提供については、親の承諾を条件に「賛成」と答えた人が57%に上った。しかし、小児科医の間からは子どもの脳死判定の難しさや、虐待児の見極めがどこまで可能かなどの課題が指摘されている。

 また、脳死を一般的な人の死とすることについては、毎日新聞の世論調査でも現行法通り「臓器提供の意思を示している人に限るべきだ」が52%と過半数を占め、脳死は「人の死と認めるべきだ」は28%にとどまった。脳死を人の死とすることについて国民的な合意が得られていると言えず、今後、参院での審議などを通じてさらに幅広い議論が求められる。【関東晋慈】

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